国木田独歩
(1871-1908)


 

国木田独歩とは、誰でしょう。

独歩は自然主義文学の先駆者であり、

日本の近代文学史に名を残す文豪です。

しかし、文豪といういかめしい称号に比べて、

彼の作品や生き方が今に放つ光彩は

あまりに清新であり、また若々しく自由です。

それは、彼がわずか37歳でこの世を去ったせいでしょうか。

あるいは、独歩というその名前から

独り『武蔵野』の山林や空知川の岸辺を跋渉する青年のイメージが

その作品の淡々たる筆致とあいまって想起されるせいかもしれません。

独歩は、多感なる少年期と文学に目覚めてゆく青年期を

ここ柳井及び近隣の地で過ごし、幾つかの作品を残しました。

佐川醤油の故郷は、

田園の散歩者・国木田独歩の心の故郷でもあるのです。

文学の新しい潮流が、

新たなる時代の精神を切り開いて行った明治。

独歩はその時代を独り歩き、

そして独り去っていきました。